驚いても大丈夫。ほとんどのケースは自然に治ります。
▲ 結膜下出血の典型的な例。白目の一部がべったりと赤く染まる(痛みはほとんどない)
朝、鏡を見たら白目が真っ赤になっていた——そんな経験はありませんか? 痛みもかゆみもないのに、あまりの見た目の衝撃に慌ててしまう方は多いです。
これは「結膜下出血(けつまくかしゅっけつ)」と呼ばれる状態です。 白目の表面を覆う薄い透明な膜(結膜)の下に広がる細い血管が破れ、 少量の血液がたまることで白目が赤く見えます。 赤い部分はあくまでも結膜の「下」にとどまっており、眼球の内部には影響ありません。
視力への影響はなく、多くの場合は1〜2週間で自然に吸収・消失します。
「充血」と「結膜下出血」はどちらも白目が赤くなりますが、仕組みがまったく異なります。 日本眼科学会によると、充血は血管が拡張することで目が赤く見えるのに対し、 結膜下出血は血管が破れて出血することで赤く見える状態です。 見た目と特徴を比べてみましょう。
| 充血 | 結膜下出血 | |
|---|---|---|
| 仕組み | 血管が拡張して赤く見える | 血管が破れて血液がたまる |
| 赤みの見え方 | 血管の走行に沿って 細い赤い線状 |
境界がはっきりした べったりした赤色 |
| 赤みの場所 | 白目全体や 周辺部など様々 |
白目の一部に 限局することが多い |
| 主な原因 | アレルギー・感染・ 疲れ目・乾燥など |
いきみ・こすり・ 血圧上昇・突発性など |
| 痛み・かゆみ | 原因によってあり | ほとんどなし |
| 経過 | 原因の治療で改善 | 1〜2週間で自然に消える |
充血は目薬(血管収縮薬)で一時的に赤みが引くことがありますが、 結膜下出血は血液がたまっているため、点眼薬では赤みは取れません。 赤みの見た目が「血管の筋」か「ベタッとした赤」かで区別できます。
結膜下の血管は非常に細く、わずかな刺激でも破れることがあります。
くしゃみ、激しい咳、嘔吐、トイレでの強いいきみなど、急激な圧力変化が原因になることがあります。
アレルギーや異物感から目を強くこするのが引き金になりやすいです。
知らぬ間に枕やシーツで目をこすっていたり、うつ伏せ寝による圧迫が原因になることも。
抗凝固薬(ワーファリンなど)や抗血小板薬を服用している方は出血しやすい場合があります。
高血圧や激しい運動後の一時的な血圧上昇も、細い血管の破れにつながることがあります。
実は最も多いのがこのケース。特にはっきりした原因がなく起こることも多いです。
出血量や個人差がありますが、一般的な経過はこのようになります。
出血した直後は鮮やかな赤色。範囲が最大になることもあります。痛みはほとんどありません。
赤みが黄色やオレンジ色に変わり始めます。あざが引いていくときと同じ変化です。
多くの場合、この時期には出血が完全に吸収されて白目の色に戻ります。
以下のような場合は、単純な結膜下出血ではなく別の疾患の可能性もあるため、
早めに眼科を受診してください:
・強い痛みや視力の変化がある
・何度も繰り返す
・出血が2週間以上引かない
・外傷のあと
結膜下出血は見た目のインパクトが強く、初めて経験すると非常に驚きますが、 大多数のケースでは視力に影響せず、自然に治癒します。 目の中で何かが起きているわけではなく、表面の膜の下に少量の血がたまっているだけです。
繰り返し起こる場合や、痛み・視力の変化を伴う場合は別の原因が隠れていることもあるため、 そのときは遠慮なく眼科を受診してみてください。